【神奈川ペットライフVol.6】

皆様、こんにちは。
ペットショップ マルワン大和 相模大塚店、店長の菊池です。

今回のテーマは【ケージからお部屋に出した時のトイレ】に関してです。

当店でご成約を頂いた飼い主様には【アフターサポート】をさせて頂いているのですが、噛み癖や吠え癖と同じくらいご相談を頂く頻度が多い事案があります。
それは『ケージの中では成功するのに、お部屋に出すとトイレを失敗する』という事です。
このお悩みは、ワンちゃんを飼っている方、飼い始めたばかりの方の相当数の方に当てはまるのではないでしょうか？
『成功する様になればもう少し遊べるのに・・・』、『カーペットの掃除回数が跳ね上がってるよ！！！』って考えますよね。

この問題は時間と共に解決する事でもなければ、諦めてしまう事でもありません。
解決法がございます。
今回は【失敗してしまう理由と解決方法】を記述して参りますのでペットライフのご参考にして頂ければ幸いです。

【神奈川ペットライフ】バックナンバーまとめ

どうして失敗してしまうの？理由は感覚にあり！

当店の犬舎は幅が120cm程と大型な作りになっており、トイレまで凡そ10歩位。
お迎えして頂く時にご用意頂くスタンダードな大きさのケージは幅90~100cm程、トイレまでは6,7歩。

当店では入店時からトイレトレーニングを行っており、お迎えして頂く頃にはほぼトイレを覚えた状態でお引き渡しをさせて頂いている為ケージの中ではしっかりと成功してくれます。

ところが、お部屋に出して遊ぶ時にはケージから遠い場所まで行っている可能性が高くトイレまでの距離は50歩位、もっと必要かもしれません。
ワンちゃんは普段のケージの間隔でトイレを覚えておりますので、その距離が離れていればいる程成功率は下がってしまいます。
要は6,7歩の感覚で50歩は間に合いようが無いというのが事実です。

なぜ失敗してしまうの？

子犬は膀胱が小さく、排泄器官も当然短いので我慢が出来ずオシッコをしたくなればすぐにします。

例えば、人間も小さな子供の頃に出かけた際、
親：『帰るからトイレに行っておきなさい。』
子供：『今は行きたくない』と拒否しがちですが、すぐに『トイレ行きたい。』と言うと
親：『だから行っておきなさいって言ったでしょ！』
子供：『さっきは行きたくなかった！』
というシュチュエーションを経験された方も多いはず。（実体験です笑）

ですが、その時は本当にトイレに行きたい気配がないのです。
しかし、器官が整っていない為、すぐに行きたくなる又は経験値が少ないので【どれくらいオシッコがしたくなればトイレに行くべきなのか】という事を理解していません。

ワンちゃんも同様で遊びに夢中で興奮状態であれば尚更、感覚が狂いケージに戻りきれずに失敗してしまうケースが多いのです。

ケージに戻るために必要な事、『ハウス』を教えてあげましょう

感覚を養う前に教えてあげる事があります。
それは【ハウス】のトレーニング、要は自発的にケージの中に戻る事が出来るようにする事が大切です。
ハウスを覚えていないと自発的にトイレに戻る事が出来ずに失敗を繰り返してしまいます。

特にお迎えしたばかりの子はケージの外に出して遊ぶようになったら一番初めに教えてあげるトレーニングと言っても過言ではありません。
では、どの様に教えてあげればいいのか？3項目に分けてご説明していきます。

ハウストレーニングの方法

1.ご褒美（フード1粒でOK）を持ちながら『ハウス』と掛け声をかけながらケージの中へ誘導
この時に抱っこはせずに目線と匂いで誘導をしてください。また、掛け声は1回のみで行い1回で入らない場合は仕切り直しをしましょう。
2,3回連呼してしまうと【2回、3回ハウスと言われたら入ればいい】と間違った認識をしてしまう為。

2.身体が完全に中に入ったらご褒美をあげて褒める
身体の一部だけ、例えば頭だけ入れたらOKではなく、あくまでも全身が入ればOKです。
ご褒美をあげるタイミングとしてはケージに入ったらスグ！時間を開けてしまうと【何に対してのご褒美なのか】がわからなくなってしまいますので間髪開けずにあげましょう！

3.ケージに入ったからといって扉を閉めない
ここが意外と大切で皆さんがやってしまいがちです。
扉を閉めてしまうとワンちゃんは【入って損をした】と認識してしまいます。それからは頭だけを入れるようになったりしてしまいますので注意です。
あくまでもご褒美をもらえる、【ケージに入ると得をする】という気持ちでトレーニングをさせてあげます。

この1~3の順序を繰り返し行ってあげる事でハウスを覚え、『ハウス』と掛け声を掛ければ入りますし、トイレにいきたくなったら自発的に入ってくれるようになります。
ちなみにですが、ご褒美はフード以外でも良いですがあげる時にはかなり小さくちぎってあげましょう。
ワンちゃんが満足感を得るのは【量よりも回数】です。
プロのトレーナーや僕らは5cm程度のジャーキーだとしても数十回にちぎって回数多くあげておりますので参考にして頂ければと思います。

下記の記事ではその他のしつけ方法について記載しております。

【あわせて読みたい】おうちで出来る！ワンちゃんのしつけ

感覚を養う為には行動制限をかけ距離を伸ばして行く

ハウスを教えてあげた後はいよいよ【トイレまでの感覚】を教えてあげましょう。
ここで大切なのはお部屋全体で遊ばせるのでは無く距離を狭めて行動範囲を制限してあげることにあります。

戻る感覚を教える方法と注意点

先述の通り、一度に広いスペースから始めるのではなく初めはケージから1m位で区切ってスタートしましょう。
教える方法は以下の手順。

1.ケージの扉は開けたまま区切ったスペースの中で行動をさせる
当然、扉を閉めてしまうとトイレに戻れないので開けたまま、10~20分程度過ごさせてあげます。
この時にも『ハウス』と言いながら時折ケージの中に誘導してあげましょう。

2.ケージに戻って成功した時にだけリアクションを取る
初めは偶然でも良いです。自発的にケージに戻りトイレが成功した時にだけオーバーリアクションで褒めてあげます。
こうする事によって【ケージに戻ってトイレに行くと褒められる＝得をする】と意識させてあげます。
ワンちゃんは人間と同じように損よりも得を選ぶようになりますので、覚えやすくなります。
注意点は【失敗しても絶対に怒らない事】、トイレの失敗に関しては怒らずにノーリアクション、無視をして片付けてあげましょう。
怒ってしまうと【トイレをする事自体が悪い事】と認識してしまい、飼い主様の居ない所でしか排泄する様になってしまいますのでご注意ください。

3.区切ったスペースでの注意点
スペース内には敷物は置かない様にしてあげましょう。
マットやブランケット等の敷物や段差があるとトイレと勘違いをして失敗してしまいますのでフラットなスペースを心がけましょう！


これを繰り返していくと写真の様に自発的にケージに戻る癖が付きます。
1m程で成功する様になって来たらその距離を徐々に伸ばしていきましょう。
そうする事によって『今、これくらいトイレに行きたいから戻ろう』とトイレまでの位置を逆算し考え行動を取る様になります。

ある程度の範囲までクリアができればお部屋全体に離して生活を送るようにしましょう。
もちろん、初めから100%成功する訳ではありませんが、この方法を用いて着実に成功率をあげて行くことがトイレ問題解決の一番の近道です。

まとめ

今回は愛犬と生活を始めた時に、気にすることが多い点、トイレトレーニングについてお話し致しました。

当店のお迎え後のアフターサポートやユーザーマイページでもご相談いただく機会が多い事柄です。
楽しみながら生活を送って行く上で大切なポイントでありますが、初めから出来る子は居らず地道な練習によって培っていくものです。

【トイレに戻れる様になった】というのも大進歩ですし、我が子の成長を見て感じ取れる嬉しい姿ですよね。
しつけをする上で大切なのは【物事に対し、なぜ失敗してしまうのか、どうすれば成功するのか】を細分化し分析を掛け実践へ移していく事だと思います。

今後も様々なシュチュエーションに応じて考え実践し、皆様のお役に立てる様な記事を作成していきたいと思いますので次回の【神奈川ペットライフ】もどうぞお楽しみに♪

今回のトイレ問題について更に詳しく聞きたい！この場合はどうしたら良いの？とご質問がございましたらマルワン大和 相模大塚店の菊池までお尋ねくださいませ！
文・菊池
【マルワン大和相模大塚店の専用ページはこちら】