【 食育・子犬編 】わんことにゃんこの理想の食事を求めて「 プロジェクト食育 」スタート!・ロイヤルカナン社合同プロジェクト

【 食育・子犬編 】わんことにゃんこの理想の食事を求めて「 プロジェクト食育 」スタート!・ロイヤルカナン社合同プロジェクト
オオカミを祖先とするイヌ
砂漠の山猫を起源とするネコ
膨大な歴史の中で、我々が知りえない情報はまだまだあります。
「言語コミュニケーションをなさない両者を更に深く理解したい」
このような動機の中で、最も重要とされるわんことにゃんこの「食事・食育」に関してフォーカスし、理想的な食事の考え方を研究する「プロジェクト食育」をスタートすることとなりました。
第一回目は子犬〜成長期の食事をテーマに、ロイヤルカナン社協力とともに考察いたします。
※ご協力いただいたのはロイヤルカナンジャポン ペットショップ事業部 東日本リージョナルキーアカウントレプレゼンタティブの清水勇児氏です。

①多くのフードメーカーは子犬フードを「生後12ヶ月」までと定めている製品が多いと思われますが、ロイヤルカナン社が犬種によって「生後8ヶ月」「生後10ヶ月」という複数のラインを引いている理由について解説をお願いいたします。


多くのフードメーカーは子犬フードを「生後12ヶ月」までと定めている製品が多いと思われますが、ロイヤルカナン社が犬種によって「生後8ヶ月」「生後10ヶ月」という複数のラインを引いている理由について解説をお願いいたします。 | プロジェクト食育
清水氏:
当社の考え方として、一般的な成犬になるまでの月齢を一律で「12ヶ月」としない理由は犬種や体の大きさによって、成長期の長さが異なる為です。
例えば、チワワ子犬用は「生後8ヶ月齢」までであるものの、大型犬では約18ヶ月、超大型犬では約24ヶ月です。
またひとくちに「子犬」といっても成長期においては「成長前期」と「成長後期」に分けて考える必要があります。成長前期と成長後期では成長の速度、さまざまな器官の成熟度、消化能力などが異なるため、成長段階によって最適な栄養バランスも異なるからです。
犬では2ヶ月齢までが成長前期、それ以降が成長後期にあたります。ロイヤルカナンフードは成長前期用フードと成長後期用フードが異なります。
 
清川:
なるほど、「子犬」という大きなくくり方ではなく、その犬種の特性は成長期から大きく関わっているということですね。

②ロイヤルカナン社が子犬フードを作る上で重要視している栄養素とその働きについてご説明ください。


清水氏:
こちらも①と同様、成長前期と成長後期で変わってきます。
成長前期の子犬は急激に成長するため多くのエネルギーを必要としますが、まだ体が小さくフードをそれほどたくさん食べることができません。また、成長前期の犬はデンプンを消化する能力が成犬の40%以下しかありません。そこで、脂肪とタンパク質の含有量が多くカロリーの高いフードが適しています。
成長後期になると、子犬の成長は緩やかになり始めます。そして、骨組織の成長はピークを過ぎて、主に筋肉組織が成長するようになります。そのため、成長前期と比べて、カロリーがやや控えめでタンパク質の含有量が多いフードが適しています。また、成長後期になると乳糖を消化する能力が低下しますから、牛乳など乳糖を含むものは控えた方が良いでしょう。
 
清川:
月齢を段階的にとらえ、必要な栄養素を成長に併せて変化させていくことが重要なんですね。

③ドッグフード選びを飼い主さんがする中で、「食べつき」についてが一番の悩みどころだと思いますが、その「食べつき」を向上させるためのロイヤルカナン社の工夫を教えてください。


ドッグフード選びを飼い主さんがする中で、「食べつき」についてが一番の悩みどころだと思いますが、その「食べつき」を向上させるためのロイヤルカナン社の工夫を教えてください。 | プロジェクト食育
清水氏:
「食べつき」を向上させるため、以下のような特長を持ったフードがお奨めです。

  • 食欲を刺激する匂い

  • 食べやすい大きさ

  • 噛みやすい食感

  • 高脂肪な栄養バランス


上記のことを考え、ロイヤルカナンのフードは全て設計されております。
 
清川:
イヌの味蕾の数は人間の5分の1しかないといわれていますよね。
したがって「味」で判断をするのではなく、臭いやキブルの形状・大きさ、栄養素が重要になるわけですね。

④栄養素や食べつき以外に成長期に気をつけたいフードの与え方のポイントがあれば教えてください。


栄養素や食べつき以外に成長期に気をつけたいフードの与え方のポイントがあれば教えてください。 | プロジェクト食育
清水氏:
成長後期になって必要なエネルギーが少なくなると、自分で食事の量を調整して、フードを食べる量が少なくなる子犬がいます。
これはフードに飽きたわけではありませんから、あわててフードを変更する必要はありません。
 
清川:
季節的な変化や犬歯の生え変わり、胃腸の炎症等、いわゆる「食べ飽き」以外にも食欲減退の要素はありますよね。
単に「食欲が無くなった=味に飽きた」と捉えるのではなく、様々な観点からの考察が重要となりますね。

⑤様々な情報が飛び交う中で、「定期的スパンでフードチェンジをした方がバリエーション豊富な栄養がとれる」という意見もございますがいかがでしょうか?(フードの変え時に関して)


清水氏:
バリエーション豊富な栄養が取れることよりも、その個々の犬にとって必要な栄養素を取ることが重要です。犬は犬種、大きさ(体重や体高)、ライフステージ(年齢)、ライフスタイル(飼育環境、飼育習慣)、健康状態など、1頭1頭違いがあります。そのため、必要な栄養のバランスもそれぞれ異なっているのです。
 
清川:
「一律的」に食をとらえるのではなく、あくまでも一頭一頭へのフェーズあわせが重要なのですね。

⑥まとめ


最後になりますが、成長期におけるフード選びのポイントをまとめた表を清水氏からいただきました。
成長期におけるフード選びのポイント | プロジェクト食育
前述でもあったように、ひとくちに「子犬期」といっても、ロイヤルカナン社はそれを前期と後期に分けて、必要な栄養配分を考慮してフード作りをしております。
成長前期は「高カロリー」「高脂肪」「高タンパク」が求められ、次の後期のステージには筋組織を作るために「高タンパク」を意識しつつも、前期よりも「脂質」や「カロリー」は控えめのイメージが良いとのことでした。
第一回目の「プロジェクト食育」は以上となりますが、今後も更にディープにプロのご意見をいただきながら皆様のお役立て情報としてリリースしてまいりますので、次回も楽しみにしていてくださいね。
 
文・ナビゲーター/清川将司(マルワンブログ編集長)
スペシャルアドバイザー/ロイヤルカナンジャポン 清水勇児 氏